荒れた波の音が響く夜、月が広く照る漁師町の宿で、時間を掛けながら、

食べた事もないほど、豪華な食事をいただいた。

 

苦味、雑味、渋味たっぷりの、不っ味い泥水を、絡め取るように舐めてきたのだから、

甘い蜜なら甘い蜜で、きっちりと吸い尽くしたい。

 

残りの人生で出来る事を計測するより、今の自分に必要な物と、

新しく生まれた夢に向かって、相変わらず、のそのそと歩いている。

 

短い夏の終わりを告げるようにして、冷めた秋空が寂しそうに笑い掛けてきた後は、

少し遅い夏休みの、特別な夜を共に過ごそう。

 

世界も、時代も変わるのは、変わらずには済まないからだ。

 

ずっと子供でいたかったけど、この夏で、たくさんの思い出と一緒に、

怠慢と快楽を捨てた私は、また、少しだけ大人になった。

秋刀魚と鯖が出回ったら、たくさん食べたい。

 

もうすぐ、朝が訪れるし、４連休の天国モードも、最終日に差し掛かった。

おばあちゃん大好き。

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