昨日、七沢の清らかな川がせせらぐ音と、小鳥達のさえずりが聞こえる中、

最高の気分でウンチした。

 

野外でウンチするのは、緊急時のみだから、

昨日の野外は、３７年間で３回目の緊急時だ。

 

小学校低学年の時、団地住まいの鍵っ子だった私が、放課後に、

ウンチを我慢しながら５階に駆け上り、鍵を持ち忘れて帰宅したのが原因で、

開くはずの５階の扉が開かなかった時、世界が真っ白に変わった刹那、

次は、階段を駆け下りて、駐輪場の隅っこの排水溝へウンチしたのが１回目だった。

 

自ら放ったウンチを見るのは、その時が初めてで、

私は、どうしたらいいのか分からないまま、本能的に、近くの葉っぱを使って、

お尻をペロッと拭いた後、数日間、毎日、かつての自分だったはずの、

黄金の塊が置かれた駐輪場へ訪れ、密かなる研究をしている。

 

何度か、かつての自分にハエが集っている光景を見れたものの、

土や枯れ葉と同化した後、最終的に、地球へ還る様子まで見届けた。

 

２回目は、８年ほど前、横浜の大舞台(ベイホールかベイサイド)で唄った後、

次の予定が迫っていた為に、駅へ向かう途中の川に掛かる橋を渡る時だ。

 

時は緊急で、既に、不思議な歩き方が始まっていた私にとって、

川に掛かる橋は、数キロメートルの大橋に思えていた。

 

この状況下では、この橋を渡りきる事が出来ない方程式の答え合わせも迫っている。

 

(１)

橋の真ん中でしゃがみこんだ後、お尻を出してウンチする

 

(２)

不思議な歩き方をしながら、お尻を出さずにウンチする

 

(３)

川に飛び込んで、全てを無かった事にする

 

以上の３択が迫り切った後、私の本能は、無意識に、幻の選択肢

 

(４)

不思議な走り方で行ける所まで行き、限界地点で、お尻を出してウンチする

 

を思い付き、その刹那、身体が、弓矢のように動き出している事にも気付いた。 

 

しかし、橋を半分まで渡る前には、限界地点へ到達し、

不思議な走り方をしたまま、ズボンと下着を同時に下ろしながら、

顔を覗かせ始めたウンチと共に、人としての人生を終えようとしている。

 

御先祖様達に謝罪を済ませ、もうろうとする意識の中、

目の前に、橋の下へ降りる階段が現れ、不思議な降り方で、転がり落ちるようにして、

橋の上の死角へ辿り着き、お尻を出しながらウンチした。

 

あんなにもスリリングなウンチは、生まれて初めてだ。

 

ティッシュは持っていたけど、急いでいた事もあって、

後始末は、ティッシュをかぶせただけだったから、申し訳ないと思っている。

 

そして、３回目が昨日の七沢だ。

 

昨日は、軽い谷間に流れる、綺麗な沢と、流れを止める水門の調査をしていた際、

冬眠から目覚めたばかりの熊に遭遇したら、襲われるだろうなと考えていた矢先の、

恐怖心にあおられた催しで、岩と岩の間で踏ん張り、お尻を出してウンチした。

 

かつての自分が、ゆるやかに川を下るのを見送り、地球へ還ってゆく事を願う。

 

何故か、ポケットの中に、ティッシュを３枚も持っていた。

 

拭き足りないぶんは、車に戻った後、お尻を出して、

ウェットティッシュで綺麗に拭いている。

 

さっぱりして、気持ち良かった。