一昨年に企画した無銭野営は、トイちゃんとフォーチュンが、

地獄のような家へ来た夏、合宿を行っている際に提案して、

即刻、却下された話。

 

世の中の男性諸君は、サヴァイヴァルごっこや、キャンプごっこや、

野営ごっこが好きだったりする。

 

当然、私も好きだし、その気持ちもわかるけど、所詮、あれらは遊びだ。

 

綺麗どころ、楽どころが優先していて、車や、電車等の公共機関で移動した後に、

テントを張ったり、音楽を流したり、バーベキューをしたり、

川や海で泳いだり、星を眺めたりと、素敵な時間を過ごすけど、

それらは、楽しむ為に催されたファンタジーだ。

 

もちろん、私だって、そのような遊び方を、こよなく愛している。

 

しかし、もう少しだけ、何かが足りないと考えた末に、

死に対する危機感と、見えない明日へ立ち向かう勇気と、

必ず生き延びる為の責任、そして、本能を養う事を目的とする、

究極のサヴァイヴァルごっこを考案した。

 

そして、例の２人(独身者に限る)を誘ったところ、真っ先に、

はっきりと、きっぱりと断られた。

 

金銭は持たず、水も持たず、着替えも持たず、ナイフ１本で何が出来るのか。

 

彼等の知性が、可能性を確かめる旅に歯止めを掛けて、企画段階で終了した。

 

そして、悶々としたまま、バーベキューやら、川遊びをして、夏が２回も過ぎ、

現在、冬を迎え入れた我が家では、相変わらずの石油ストーブが、

小さな太陽のように燃えている。